予防歯科
|
電動歯ブラシと手磨き、結局どちらがいいの?
編
編集部
「電動歯ブラシに変えた方がいいですか?」というのは、診療室でもよく聞かれる質問の一つだ。結論から言うと、どちらが優れているかは一概には言えず、使う人の磨き方のクセによって向き不向きがある。
プラーク(歯垢)除去力の違い
複数の研究で、電動歯ブラシ(特に振動・回転式)は手磨きに比べてプラーク除去率がやや高い傾向があると報告されている。理由は、細かく高速な振動によって、手の動きだけでは届きにくい部分の汚れも落としやすいためだ。
ただし差は絶対的なものではなく、手磨きでも正しい角度・力加減・時間をかければ十分にきれいに磨くことができる。逆に、電動歯ブラシを使っていても「当てるだけ」で動かし方が雑だと、磨き残しは生じる。
電動歯ブラシが向いている人
- 力の加減が強く、手磨きだと歯や歯茎を傷つけがちな人
- 手先や腕の動きに制限がある人(高齢者、関節に障害がある人など)
- 毎日の歯磨きに時間をかけるのが苦手な人
- 矯正装置をつけていて、細かい部分の清掃に手間取る人
電動歯ブラシの多くには圧力センサーが搭載されており、磨きすぎを防いでくれる機能もある。力任せに磨いてしまう自覚がある人には特におすすめできる。
手磨きが向いている人・注意点
手磨きは価格が安く、旅行先などでも扱いやすいのが利点だ。ただし、以下の点に注意したい。
- 歯ブラシは毛先が広がったら早めに交換する(目安は1ヶ月程度)
- 力を入れすぎず、鉛筆を持つように軽く握る(ペングリップ)
- 小刻みに動かし、1本ずつ丁寧に当てる意識を持つ
自己流の磨き方に不安がある場合は、歯科医院や歯科衛生士による「ブラッシング指導」を一度受けてみるのもよい。自分の歯並びに合った磨き方の癖を客観的に指摘してもらえる。
どちらを選んでも大切なこと
電動でも手磨きでも、以下は共通して重要だ。
- 1日2回以上、特に就寝前は丁寧に磨く
- デンタルフロスや歯間ブラシを併用する(歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れの多くが残る)
- フッ素配合の歯磨き粉を使う
- 定期的に歯科医院でクリーニング・検診を受ける
まとめ
- 電動歯ブラシはプラーク除去力にやや優れる傾向があるが、差は絶対的ではない
- 力加減が強い人や手先に制限がある人には電動歯ブラシが向いている
- どちらを選んでも、フロスの併用と定期検診はセットで考えたい
自分に合った道具を選び、それを正しく使い続けることが、結局は一番の予防につながる。
